(おじ・猫日和 第1話)
風呂場から「ぬあ〜〜〜〜ん!!」という、
どこかアザラシみたいな声が聞こえた。
開けたらやっぱり、てばだった。
白くてふわふわの子猫、通称てばちゃん(0歳)。
最近覚えたマイブームが、“風呂に入ること”だ。
いや、お湯には入らんよ。
入らんけど、「風呂場の中で寝たい」っていう謎ルーティン。
湯気もくもくの洗面器に、
まるで寿司ネタみたいにぽふっと収まるてば。
まんざらでもなさそうな顔で、
ときどき「ぷすぅ……」って寝息を漏らす。
そこへ、背後から静かに忍び寄る影――
キジトラの**ぼんじり(通称:ボンさん)**である。
じーっと、無言で洗面器を見つめる。
なぜか毎回、ボンさんは風呂場でてばを監視してくる。
たぶん、
「こいつまた調子乗ってるな」
って思ってる。
その背後からさらに、「ぅにゃっ!」という高音。
茶色ぽてぽてボディの**やげん(ヤーちゃん)**だ。
はい来た、猫の女将。
今日もご機嫌ナナメだ。
ヤーちゃんは風呂が大嫌い。
「毛がうねるから」って理由で絶対に近寄らない。
なのに、てばが入るとなると――
「この子!風邪ひくでしょ!!!」
みたいな空気感で乗り込んでくる。姉属性強すぎる。
結果、風呂場に猫3匹とおじ1人。
湿気。
毛。
密度。
なんだこれ。
夜。
布団に潜り込んできたてばちゃん。
……体、ちょっと湿ってる。
さっきちゃんと拭いたはずやのに?と思ったら、
お腹だけビショビショやんけ!!
「洗面器の中で転がってたんかい……」
と、ため息をつきながら
そのまま一緒に寝るおじだった。
☕まとめ
猫ってほんと自由。
そして、猫が自由にしてるだけで、
おじの人生、ちょっとだけ幸せ。
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